▽「オバケのQ太郎」から始まった藤子作品復刊シリーズ最新作の「21エモン」
今回紹介するべきか迷ってたのですが、2018年に深い関わりのある作品という事ですし、今回紹介させていただきます。
あらすじ
時は2018年、地球は異星との交流が進み星間連合に加盟し、多くの惑星から観光客が訪れる一大観光惑星となっていた。
そんな中、トウキョウシティーに居を構えるホテル「つづれ屋」は江戸幕府の成立から20代に渡り四百数年細々と続く老舗のホテルなのだが、利用客はさっぱりで隣接するホテルギャラクシーに圧倒され廃業寸前であった。
現当主20エモンは建て直しに躍起になるも、跡継ぎ息子の21エモンは宇宙に夢を馳せ経営には無関心。
家業に専念しなさいという20エモンの叱責に、しぶしぶボーイとして働き始めるも、チップを貯めていつかはロケットを買って宇宙へと、夢を暖めるのでした。
そんな21エモンと、宿代代わりに置いて行かれた絶対生物のモンガー、芋掘りロボットゴンスケ達と共に、宇宙からくる風変わりな客を相手にホテルで騒動を巻き起こすドタバタコメディです。
これ以前の連載の「オバケのQ太郎」「パーマン」で日常に非日常が入り込むコメディをやっていた藤子先生は、完全な非日常をベースにとこの作品を描き始めるのですが・・残念な事に楽しんで描いていたという藤子先生とは裏腹に、人気は芳しくなく短期で終了した作品したのでした。
しかしながら後年再評価され、1981年に映画化され、1991年には原作終了から22年の歳月を経てアニメ化されるのでした。
やりたいことが多いのは素晴らしいことですが、結構怠け者な性格が玉に傷。
実家の家計が火の車なのに、それ程焦らないのは怠け者を通り越してる様な気も。
モンガー
ササヤマ星に生息する宇宙生物で、絶対生物と呼ばれどんな環境でも適応でき、岩だろうが鉄だろうが何でも食べることが出来る上、更に短距離ながらテレポート能力を持っており、この能力を駆使し飛行場に付いた観光客をつづれ屋にテレポートさせたりします。
最初はモンガーとしか喋れませんでしたが、後にショックを受けてから人語で会話できるようになります。
元々山奥での芋掘り用ロボットだったのですが、故障して廃棄寸前の所を安値で20エモンが買い取ってボーイとして働かせるのでした。
しかしながら元々の仕様用途が違う上、廃棄寸前だった為素行が良くなく言うことをまるで聞かず、隙あらば芋畑を作り耕し、20エモンを困らせます。
因みにオリンピック芋掘り競技初代チャンピオンでもあります。
所で、あらすじで気付かれた方もいらっしゃるでしょうが、実はこの作品の設定が2018年なんですね。
マンガが次々と昔の作品が描いた未来へと追い付いていますが、あと3ヶ月で国際連合を脱退して星間連合になる日は来るのでしょうか?
因みに20エモンの先代に当たる19エモンですが、若かりし日々に「ドラえもん」32巻でその姿を見ることが出来ますよ。
家出したのび太が転がり込んだのが18エモンの経営するつづれ屋でした。
私はアニメから入った口で、リアルタイムで視聴しており今までの藤子作品と毛色の違うOP&EDに衝撃を受けたものでした。
それまでは必ずキャラクターの名前やタイトルが入っていたのに、まるでタイプの違う歌とノリの良さに一辺で気に入りました。
時代設定こそ外れましたが、いつかはこんな未来が来ると願いつつ明日の十五夜の月を愛でるのも乙なものかも知れません。
それでは次回の講釈で。