正義の為なら鬼となる
▽現在マンガファンの間では、週刊少年ジャンプ連載の鬼を狩るマンガ「鬼滅の刃」が大人気ですが、私の方は年末の早めの大掃除で正義の為なら鬼になる「仮面ライダーアマゾン」の2001年に初めてまとめられた単行本が出て来たので紹介したいと思います。
「仮面ライダー」といえば言わずと知れた石ノ森章太郎先生の代表作で、今も新作が放送される人気の特撮シリーズですが、実際の所石ノ森先生がマンガで描いているのは「仮面ライダー」「仮面ライダーアマゾン」「仮面ライダーBLACK」の三つで、他のライダーは当時の児童誌等で元アシスタントの山田ゴロ先生等が連載されていました。
日本への荷物を運ぶ貨物の中で発見されたミイラ化した遺体。
そして船から逃げるように海へ飛び込む謎の影・・
横浜港へ着いた船は警察による検証が行われますが、事件は一向に謎のまま。
以前として進展の無いままの最中またも新たな犠牲者が!!
事件の犯人は人間と同じ大きさの巨大なクモ怪人の仕業だったのだ!!
船着き場で遊んでいた少年は、空いた扉に興味を持ち探検のつもりで忍び込む。
中にクモの怪人がいるとも知らずに。
しかしそんな少年を物陰へと隠した謎の青年。
隠れたのもつかの間、二人の存在に気が付いたクモ怪人は二人に襲い掛かります。
少年を守る為怪人と戦う謎の青年、しかし人と怪人では防戦一方、その時青年は叫んだ!!「アーマーゾーン!!」と。
異形の怪物へと姿を変えた青年は、あっという間にクモ怪人を瞬殺。
元の姿へと戻った青年に、命を助けられた少年はマサヒコと自己紹介します。
そしてまた青年も名乗りました「アマゾン」と。
とまあ大自然で育った青年アマゾンがマサヒコ少年と悪の組織ゲドンと戦う目くるめく攻防戦が描かれるのかと思いきや、TVの方はキー局の改編で24話で終了となりました。
元々放送は24話と決まっていたらしいのですが、制作サイドはその話を聞かされておらず打ち切られたと思っていたそうです。
私も近年まで打ち切りで終わったと信じていました、というのも前半から野性味あふれる戦いの為怪人にかみついたりまたアマゾン自体も変身前に攻撃を受けた際に血まみれだったり、変身してからのフィニッシュがソレまでのライダーのキックとは違い、腕のトゲトゲでぶった切り、怪人の首が取れたり血がドバドバ噴き出す演出だったので仕方ないかと信じていましたよ。
逆に今ではそのテイストで大人向けに「仮面ライダー アマゾンズ」というシリーズも作られていますが。
それはさておき原作なのですが、帯でも「石ノ森先生が描いた」となっていますが、実際所当時の先生は多忙を極めて、実際は当時アシスタントだった石川森彦先生がメインで描いています。
そのせいかコマごとにアマゾンの顔が安定していないという非常に残念な結果に。
更には放送終了もあって、結局原作は5話しか描かれていないのも残念なところ。
TV通りにゼロ大帝も登場するのですが、4話のラストに登場の為駆け足で5話目終盤でゲドンのボス十面鬼が破れて3ページでやられてしまうというなんともあっけない幕切れ。
敵のボスなのに登場して「おう、わしだ」という十面鬼が、なんとも親戚のおじさん感が出ていて結構可愛かったです。
それでは次回の講釈で。