▽先日ブックオフのセット本コーナーで手塚治虫先生の「バンパイヤ」がセットで1200円で置かれていて迷ったのですが、手持ちが心許なかったのでスルーしたら何故か108円のコーナーでもバラで置かれており、美品でオール初版だった為迷わず購入しました。
あらすじ
木曽の山奥の集落でひっそりと暮らす「夜泣き一族」と呼ばれる村人たち。
ある夜村人が一堂に会し、村人自ら村に火を放ち「夜泣き一族」の集落はこの世から姿を消した・・・
それからしばらく後、手塚治虫の元へ行方不明の父親探索とアニメーターになりたいという夢を持った少年・立花特平(通称トッペイ)が働かせてくださいとやってくる。
仕方なく雑用を与え虫プロで働けるようになったトッペイだったが、仕事はできるが夜出かける時には目隠しをして外に出るなど、どうにも行動がおかしかった。
実はトッペイは月を見て感情が高ぶると狼に変身する狼男だったのだ!
「夜泣き一族」として集落で母と弟のチッペイと暮らしていたのに、村を焼き捨てる夜に密かに抜け出していたのだった。
暫く後、トッペイの行動を不審に思った手塚治虫は夜にこっそりトッペイの後をつけてトッペイの正体を知ってしまう。
手塚は親友の怪奇現象研究家の熱海教授に相談するのだが、無理やりトッペイを狼男に変身させ、トッペイに追われ崖から転落死してしまう。
その様子を密かに見ていた知的で悪魔的に冷酷な少年・間久部緑郎(まくべろくろう:通称ロック)は世界を支配しようとする自らの野望の為に、事件を盾にトッペイを利用しようとする。
読み終えて中途半端だなと思い調べると、二部スタートしてから掲載誌が休刊となって未完の作品だったのを最近知りました。
「バンパイヤ」連載以前は「鉄腕アトム」や「リボンの騎士」で人気を博していたのに、当時はこの連載開始直後から「手塚は終わった」等とバッシングもあった様です。
確かにヒーローだったりメルヘンな要素をの作風から、いきなりダークな作品になったらソレまでのファンも離れてしまうかもしれませんね。
私自身は手塚先生の作品を読みだしたのは文庫の「ブラックジャック」から触れているので、さほど気にはなりませんでしたが、むしろこれが手塚テイストと思っています。
ファンからのバッシングにもめげず、描きたい作品を描き続けた手塚先生だから、いまだに愛されるマンガ家となっているのでしょう。
ところで私は「バンパイヤ」はマンガよりも先にTVの懐かしの番組紹介でドラマ版から知った口でした。
主人公トッペイを演じたのは、今や紅茶好きの変人刑事でお馴染みの水谷豊さんでした。
何気にこの作品が役者デビュー作だったんですよね。
今見返すと映画「ロジャー・ラビット」を彷彿とさせる、こんな昔にアニメと実写の合成ドラマをやってのけた虫プロはやっぱり凄いですね。
それでは次回の講釈で。
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